第3話「戦う前から負けている」は、多くのファンが待ち望んでいた水着回として展開されました。文芸部の面々が夏の合宿に出かけ、青春の1ページを鮮やかに繰り広げていきます。
杏菜や檸檬の水着姿は、負けヒロインとは思えないほど眩しく、視聴者の目を存分に楽しませてくれます。杏菜の健康的な日焼け跡は夏らしさを演出し、檸檬のスタイルの良さも際立っていました。
作画と演出の質の高さも特筆に値します。夏の海辺の雰囲気が丁寧に描かれ、キャラクターたちの表情や動きも生き生きとしています。
本エピソードの最大の見どころは、小鞠知花の勇気ある告白シーンです。内向的な性格で自信のない小鞠が、部長の玉木慎太郎に思いを寄せる様子が丁寧に描かれています。
小鞠の心の動きの描写は秀逸で、彼女の内向的な性格や自信のなさが細やかな表現で表現されています。そんな小鞠が勇気を振り絞って告白する姿は、視聴者の心を強く揺さぶり、彼女の成長を見守りたくなる気持ちを抱かせます。
「戦う前から負けている」というサブタイトルが登場するラストは、インパクト抜群でした。小鞠にとっては、この告白そのものが「負け」を意味しているのかもしれません。
杏菜は、フラれた幼馴染の両親とのバーベキューから逃げ出してきて文芸部に入部します。この展開は、杏菜の複雑な心境を表現しており、彼女の負けヒロインとしての立ち位置を強調しています。
檸檬は、水着姿で他のキャラクターとの交流を楽しむ様子が描かれています。彼女の明るい性格が、合宿の雰囲気を盛り上げる要素となっています。
温水和彦は、水道水へのこだわりを持つキャラクターとして描かれており、小鞠とのやり取りで意外な一面を見せています。
「負けヒロイン」というコンセプトを持ちながらも、それぞれのキャラクターに魅力的な個性を与え、視聴者の共感を誘うストーリー展開は、本作品の大きな強みと言えるでしょう。
小鞠、杏菜、檸檬の3人のヒロインたちは、それぞれ異なる「負け方」を見せています。小鞠は勇気を出して告白するものの、「戦う前から負けている」状況に置かれています。杏菜は過去の恋愛の失敗から逃げ出す形で文芸部に加入し、新たな展開を迎えようとしています。檸檬は明るく振る舞いながらも、自分の気持ちを素直に表現できない様子が垣間見えます。
これらの多様な「負け方」が、視聴者の心に響き、共感を呼んでいるのではないでしょうか。
アニメ制作の裏側を覗くと、マケインの魅力がさらに深まります。総作画監督の川上哲也氏は、キャラクターの表情や動きにこだわりを持って修正を行っています。
特に第1話では、ギャグ顔などキャラクターの崩し方をどこまで持っていくかという点で試行錯誤があったそうです。結果として、面白い表情だけでなく、愛嬌があって可愛らしいギャグシーン、ちょっぴりセンチメンタルなシーンと緩急をつけることができ、負けヒロインたちの様々な魅力を引き出すことに成功しています。
また、背景美術にも注目です。豊橋市の様々な場所が登場するため、背景としても力が入れられています。美術監督の畠山佑貴氏は、背景にも注目してもらえると嬉しいとコメントしています。
このように、キャラクターの魅力だけでなく、作画や背景にも細やかな配慮がなされていることが、マケインの魅力を一層引き立てているのです。
マケイン3話は、水着回としての視覚的な魅力を十分に発揮しつつ、小鞠の心の動きを中心に据えた構成で、負けヒロインの魅力を存分に引き出した秀逸なエピソードとなりました。次回以降の展開にも、大いに期待が高まります。