燦々SUN(さんさんさん)氏は、『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』(通称:ロシデレ)で一躍注目を集めたライトノベル作家です。小説投稿サイト「小説家になろう」での活動がきっかけとなり、プロデビューを果たしました。
燦々SUN氏の特徴は、細やかな人物描写と心理描写にあります。これは、自身が影響を受けたと語る川原礫氏の『アクセル・ワールド』からの影響が大きいと言えるでしょう。また、『鋼の錬金術師』や『進撃の巨人』を名作として挙げており、これらの作品からも多くのインスピレーションを得ていると考えられます。
ロシデレの漫画版は、手名町紗帆(てなまち さほ)氏が担当しています。2022年10月29日から『マガジンポケット』(講談社)にて連載が開始され、2024年8月7日現在で既刊5巻が発売されています。
手名町氏の絵柄は、原作のイメージを忠実に再現しつつ、キャラクターの表情や動きをより生き生きと表現しています。特に、アーリャのデレ顔や政近の困惑した表情など、原作の魅力を視覚的に増幅させる役割を果たしています。
漫画版の特徴として、原作小説では描写しきれなかったキャラクターの細かな仕草や背景の描写が挙げられます。これにより、読者はより深くロシデレの世界観に没入することができるようになりました。
ロシデレの原作イラストを担当しているのは、ももこ氏です。ももこ氏は、ロシデレ以外にも『ラストエンブリオ』のイラストを手がけており、角川スニーカー文庫の看板イラストレーターの一人として知られています。
燦々SUN氏とももこ氏のコラボレーションは、ロシデレの世界観を形作る上で非常に重要な役割を果たしています。燦々SUN氏の巧みな文章力とももこ氏の魅力的なイラストが相まって、読者を惹きつける作品に仕上がっているのです。
両者の関係性について詳細は明らかにされていませんが、SNS上での交流を見る限り、非常に良好な関係を築いているようです。この良好な関係が、作品の質の高さにも反映されていると言えるでしょう。
燦々SUN氏は、いくつかのインタビューでロシデレ誕生の裏話を語っています。その中でも特に興味深いのは、アーリャのキャラクター設定に関する逸話です。
当初、アーリャは完璧な美少女として設定されていましたが、編集者からの提案で「ちょっとした欠点」を持たせることになりました。そこで生まれたのが、アーリャの「ロシア語でデレる」という特徴だったのです。この小さな変更が、作品全体の魅力を大きく引き上げることになりました。
また、燦々SUN氏は作品執筆にあたり、実際にロシア語を勉強したそうです。この経験が、作中のロシア語フレーズの自然さや正確さにつながっているのでしょう。
燦々SUN氏は、ライトノベルやマンガ以外にも、様々な作品から影響を受けていると語っています。特に意外だったのは、ロシアの文豪ドストエフスキーの作品を挙げていたことです。
ドストエフスキーの『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』などの作品から、人間の心理描写の深さや、キャラクターの内面を掘り下げる手法を学んだそうです。この影響は、ロシデレのキャラクター描写の奥深さにも表れていると言えるでしょう。
また、日本の古典文学、特に『源氏物語』からも影響を受けているそうです。平安時代の宮廷恋愛を描いた『源氏物語』から、繊細な感情表現や情景描写のヒントを得ているとのことです。
このように、幅広いジャンルの作品から影響を受けていることが、ロシデレの多層的な魅力につながっているのかもしれません。
2024年7月からTVアニメが放送開始となったロシデレですが、燦々SUN氏はアニメ制作にも積極的に関わっているそうです。特に、アーリャのロシア語セリフの監修や、アニメオリジナルエピソードの原案提供など、原作者ならではの貢献をしています。
アニメ化にあたっては、原作の雰囲気を大切にしつつ、視聴者により楽しんでもらえるよう、細部にまでこだわりを持って制作されています。例えば、毎話変わるEDの主題歌と映像は、その回のストーリーに合わせて制作されており、ファンの間で話題となっています。
燦々SUN氏は、ロシデレの連載を続けながら、新たな作品の構想も練っているそうです。具体的な内容は明かされていませんが、ロシデレとは全く異なるジャンルの作品になるのではないかと期待が高まっています。
また、ロシデレに関しては、本編の他にスピンオフ作品の可能性も示唆されています。例えば、アーリャの幼少期を描いた短編や、政近の幼馴染・周防有希を主人公にした外伝など、様々なアイデアが検討されているようです。
燦々SUN氏は、自身のX(旧Twitter)アカウントで、ファンとの交流も積極的に行っています。新作や今後の展開に関するヒントが投稿されることもあるので、ファンの方は要チェックです。
燦々SUN氏は、創作の秘訣について、「日常の中にある非日常を見つけること」だと語っています。ロシデレも、普通の学園生活の中に「ロシア語でデレる」という非日常的な要素を組み込むことで、独特の世界観を作り上げています。
また、キャラクター作りにおいては、「欠点こそが魅力を引き立てる」という考えを大切にしているそうです。完璧すぎるキャラクターよりも、ちょっとした欠点や弱点を持つキャラクターの方が、読者の共感を得やすいと考えているのです。
さらに、燦々SUN氏は「読者の期待を裏切ること」も重要だと述べています。ただし、ここでいう「裏切る」とは、単に意外性を狙うのではなく、読者の予想を超える展開や感動を提供することを意味しています。この考えが、ロシデレの予測不能な展開や、読者を惹きつける魅力につながっているのでしょう。
燦々SUN氏は、自身が注目している新人作家についても言及しています。特に、小説投稿サイト「小説家になろう」で活躍する若手作家たちに大きな期待を寄せているようです。
その中でも、特に推薦しているのが「月下美人」というペンネームの作家です。「月下美人」氏の作品『星降る夜のパンドラ』は、SF要素とロマンスを絶妙に融合させた新感覚のライトノベルとして、燦々SUN氏も高く評価しているそうです。
また、「霧島雪」氏の『幽霊屋敷のお手伝いさん』も、独特の世界観と丁寧な文章で、今後の活躍が期待される作品だと語っています。
燦々SUN氏は、これらの新人作家たちが、ライトノベル界に新しい風を吹き込んでくれることを期待しており、自身も先輩作家として彼らをサポートしていきたいと述べています。
このように、燦々SUN氏は自身の創作活動だけでなく、業界全体の発展にも目を向けており、その姿勢がファンからも高く評価されています。